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祈るばかりです [介護]

人工肛門や人工膀胱って知っている方、
身近にいなければ知らないと思うのです。
今日は、私の頭を整理したくて、私の母の人工肛門と人工膀胱について
話させてください。すごく長いです。興味を持っていただけたらうれしいです。

私も母が手術を受けるまでは
渡 哲也が人工肛門をつけているということしか知りませんでした。

渡さんは、洗腸という方法で、排泄をされているらしいのですが、
私の母は排泄物をストーマにつなげたビニールの袋に排泄して
一定量がたまったらその袋からトイレに中身を出すという方法で排泄をしています。

母の場合、再発した卵巣がんが大きくなって腸や膀胱に癒着したため
腸が細くなり、食べ物を排泄できず、腸が破裂すれば腹膜炎になる状態
だったので、腫瘍を取り出す手術をした際に、がんに侵されていない
腸の部分をオナカに穴を開けてつなぎとめ、人工的に肛門をつくりました。

膀胱にもがんが侵食していたため、腸の一部を使ってパイプを作り、
腎臓からの尿道とそのパイプをつなげて、パイプの先を
オナカにもう一つ穴を開けてそこから尿道を体の外に延長しました。

そうやって、オナカに腸の一部を露出させたものをストーマといいます。
そのストーマの周囲に土台になる面板を貼り付けます。
その土台にはめ込むようにビニールの袋を取り付けます。
尿をためるビニールにはコックがついていて、コックを開いて排泄します。
便をためる袋には5cmぐらいの開口部があり、そこから
たまった便を搾り出します。

体内に残した腸の長さによっては、すい様便しかでない人もいます。
母は、ある程度大腸も残せたので普通の硬さで便が出ます。

便=汚いものというイメージは誰にもあると思います。
私の母は、そのイメージが人一倍強く、オナカに便をためる袋をつけていることで
自分=汚いと思ってしまっています。

食事をとれば排泄もするので、食事の量も自分で減らしています。
汚い自分が食べ物を触れないと、食事を作ることもできません。

そんなことないのにね。
いっときは落ち着いて、自分で食事を作れていたのですが
おととしの今頃からだんだんと買い物が怖い、外に出るのがコワイ。
食べ物がコワイ。食べられない。
作れない。
と、できないことが増えてしまいました。

そして、今は
自分の食べるものを自分で限定しています。

朝ごはんは納豆と目玉焼き限定。父が出勤前に作ってくれます。
昼ごはんは、親子丼か、スーパーのお惣菜ののり巻き。
ヘルパーさんが作ってくれます。母の要求にしたがって親子丼ばかり。。
夜ご飯は、食べたくないといいます。
ヘルパーさんが作ってくれるものから少しだけつまむ程度。

そして、やせていて、自分は栄養失調だと思っています。
血液検査では栄養状態は問題ありません。
確かに体重は30キロあるかないかです。
嫌がって測ってくれないのでわかりません。

ストーマを持つようになっても、
仕事をされている方も、結婚して赤ちゃんを産まれた方も
たーくさんいらっしゃいます。

みなさん、すぐにストーマと良好な関係を作れたわけじゃないといいます。
障害を持つことになった自分を受け入れるのは大変だったと。

私たち家族は、ストーマを受け入れてくれない母を
責めたし、今も母の状態は病的である。
母の不安、強迫的行為は病気なのだと頭ではわかっているものの
母の不安を全部受け止められる度量はなく、日々葛藤です。

今日も私は昼ごはん、夕ご飯の準備で母とやり合ってしまいました。

いつか、笑ってごはんが食べられるようになる!
母が一人で買い物にも行けるようになる。
母が不安に押しつぶされそうな顔をしなくなる。

祈るしかない。

不安を乗り越えて、笑顔になる。


最後に、ここまでお付き合いくださった方にお願いです。

障害者用トイレを一見、元気そうな人が使っていたとしても
にらんだりしないでください。

ストーマを持つ人は外見上は健康そうです。
でも、排泄にとても時間がかかります。
ビニールの袋から、便を出すっていうのは、とても時間がかかるのです。
障害者用トイレには、オストメイト(ストーマを持つ人)の
利用もできるようにオストメイトのマークもついています。
もしかしたら、ストーマで排泄されているかただからかもしれません。
長いことトイレからでなくても
(うちの母は30分ぐらい入っていることもあります。短くても10分)
排泄に時間がかかるからです。

街にでるのをためらうオストメイトの人も大勢います。
自分と違う人もいることをちょっと思い出して
やさしく接して欲しいと思います。

みんなが笑顔で過ごせる世の中でありますように。



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ひすい

cobachiさんのおかけで、私も少しですがネットでストーマのことを勉強させてもらうことができました。

私が同じ境遇になったら、やっぱりチョ~ショックで、受け入れるのに時間がかかることは間違いないでしょう!今でこそ、病院でもっと大変な状況にある人をたくさん見ることができたから、私のことなんかまだまだだな(笑)と思ってますけど。でも、人がどうだからって自分自身のことを納得するには別の段階が必要だと感じてします。

障害者トイレで最近何かあったんですか?みんなで理解し合うのって途方もなく時間がかかりますね。でも、こうやってcobachiさんがブログに書いてくれたことで、意識の高い人達が身近な人に、「ねぇ、この前ブログで読んだんだけどさ」って話してくれてるんじゃないかな~。私なんか渡哲也さんがオストメイトでいらっしゃることも知りませんでしたもん。(お母さんは渡さんの本きっと読まれたんですよね?)

お母様の状況とは全く違うのにおこがましいのですが、抗がん剤の副作用がトラウマになって、かなり精神的に落ち込んだ時期があったんです。自分のブログはまだそこまで到達できてませんが(笑)

這い上がりたいのに這い上がれない。そのせいで副作用も更に強くなっているような気がする。でも、転機がありまして、それは、何でも話せる患者友達ができたことと、家族に甘えることができたことだったんです。

家族も友達も知り合いもみんな支えてくれるけど、経験しなければわからないこと、こちらもさすがに言えないってこと、理解してもらうのに段階が必要なことがあるんです。それが、似た病気を経験している友達ができたことで、「そうだよね」「わかる」「あれどうしてる」「そんなの気にしなくていいよ」なんて話が“楽に”できるようになったんです。

わたしは専門病院に入院したので、入院中は、やっぱり種類は違っても同じ病気同士だから女同士、「あら、あなたもそうなの?」「わたしもよ」「ガハハ」って感じで“共感”する機会があったんですよね。でも、社会に出てしまうとなかなか同じ病気の人には会わないですからね~。年配の方になるとネットで調べたりしないから情報も少ないし。

強迫観念の件は、ほんとは専門家の方のカウンセリングを受けたりできればいいのかもしれないけど、お母様はそういうこともしたがられないんですよね。

あ~お母様にストーマ仲間作ってあげたいな~、「きたなくないよ」ってぎゅっとしてあげたいな~(笑)

家族のcobachiさんも、お母さんを支えるの本当に大変だと思います。心配だからやり合っちゃうんですよね!家族だからこそやり合っちゃう。

お母様、お好きなメニューはあるようでよかった。(親子丼が気に入っている理由があるのかな~?)食べられるメニューが増えるといいですよね!!!

こういう記事を書くのはパワーがいると思いますが、ときどき報告聞かせてくださいませ。

人のブログでこんなに長いコメントってマナーとして大丈夫ですかね~?(笑)それに時数は大丈夫なのか心配しつつ…送信!

by ひすい (2011-01-14 06:27) 

cobachi

ひすいさんへ
コメントありがとうございます。
私は、このブログを始めて、自分のヨガサークルの宣伝をするつもり
だったんですけども。
ちょうど同じ時期に母の再発があって、
その折々の悩みとかをここで吐き出したりしてるんです。
どっかで、誰か同じような気持ちの人にも出会えるかなというのと
自分の気持ちの整理をしたいのと。

誰か見てくれる人がいることで自分の中だけで悶々とする思いを
整理することができてます。

ひすいさんも私のブログを見つけてくれたし!

実は昨日、オストメイトの相談員の方が実家に来てくださって
3時間もいてくれて、母の話にずーっと否定をせずに付き合ってくださって
天使か神様か?と思いました。

それも記事にしますね。

障害者用トイレのことは、患者会でたまに話題になっているので
書いてみました。うちの母も「にらまれた」とかたまに言うので。

読んでくれてありがとうございます。
コメントもすごくうれしいです。
by cobachi (2011-01-14 17:36) 

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