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ちょっと力が入らない

私には、高校生の時に1年間、ホームステイをさせてくれたオーストラリア人の家族がいます。
昨日、その父が旅立ったと、今朝連絡をもらいました。
急なことではなく、病を経て、その時を迎えました。

「いつでも、来たらいいんだよ」
「わかっているよね、ここはいつでも来ていいんだよ」

私が、オーストラリアから離れるとき、父はいつもいつも
こう言ってくれました。

留学後、私がオーストラリアを訪れたのは、たった3回。
大学4年で卒業論文に煮詰まって逃げ出したくなって行ったとき
OL生活を辞めて、さて何しようかと、無職で何のあてもなかったとき
そして、この1月。父の体調が悪いと聞いて、父に会うことを目的にシドニーへ。

父は、この最後に逢えたときも私に同じ言葉をくれました。
「いつでも来ていいんだよ」

私を気にかけ、愛してくれた人がまた一人
この世界の肉体から離れた。
さみしいな~。という思いとたくさんの思い出が蘇ります。

日本には、母と一緒に2回来てくれて、
私の結婚式にも参列してくれて、
「日本では、こういう行為は不適切だとは、知っているんだけどキスさせてくれ」と
ウエディングドレスを着た私に祝福のキスをしてくれました。

自分の生まれ育った家庭以外の家庭を1年の滞在で知ることができ
夫婦の在り方、家族の在り方には、いろいろあるんだということを
見せてくれた父。

ホームステイ先のお世話になっている人なのに、
高校生だったから、反抗もしたし、泣いたし、私いろいろ面倒かけました。
でも、愛しているよ、と言葉と態度でずっと示してくれた。

さみしいですが、父のこと、忘れることはないです。
でも、ちょっと空気が抜けた風船の気分。
今日は、ちょっと声に力が入らないし、空元気。

不自由だった肉体を離れ、
キラキラといたずらっぽく少年のような目をした本来の父に戻っているにちがいない。

血はつながっていないし、たった1年一緒に暮らしただけだったけど
父は、父でしたし、父です。
大切な人。

昔、大切な人が増えると、こうやってお別れをすることも増えると、
なんだかとてもネガティブだった私。
今は、もう会えない事実に、力が抜けちゃってはいるけれど
ずーっと会えないとは思ってません。
ヨガで、一人一人の魂は大きな魂の一部と教わったから。
さよならだけど、さよならじゃない。

この1月、思い切ってオーストラリアへ行って会えてよかった。
後悔せずに、すみました。チャンスは待っていても来ない、掴みにいかないと。

父の冥福を心から祈ります。
この生を終えて、新しい世界へ旅立った父に祝福のキスを。
I love you, Dad. Thank you sooooo much.



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